Josep Palau i Fabre

2007年4月17日 (火) Fragmentos puentefuente

español

   おそらく、ピカソについて研究している方々には、おなじみの名前なのかもしれないけれど、先回、ニューヨークにおけるカタルーニャ文化イベントで、初めてジョセップ・パラウ・イ・ファブレという名前を聞いた。そんな風に名前だけでも聞いていると、結構どこか頭の隅に残っているもので、先日新聞にこの詩人の記事が載っていたので、読んでみた。

   1917 年にバルセロナに生まれた彼は、今年4月21日に90歳になる。詩、戯曲、随筆、翻訳など文藝各分野にて名著を残しているそうだ。フランス語、カタラン 語、スペイン語を完璧に書くことが出来、スペイン人作家たちの著書をフランス語に翻訳し、フランスにおけるスペイン語文学の促進者でもある。またカタルー ニャの中世の哲学者ラモン・リュイ(Ramon Llull)著書のフランス語への翻訳者でもある。この哲学者リュイは、パリのシュールレアリストたちに多大な影響を与えたともいわれている。しかしなが ら、ジョセップにとって最も関心があったのは、ピカソだった。ピカソに出会い、友情を深めて以来、ピカソの研究に没頭し、15冊あまりのピカソ研究書も出 し、ピカソの人と作品研究の第一人者とも言われているという。

Josep Palau i Fabreのピカソの関する著書スペイン語版の一部
1.Com mirar el Gernika : Conferencia donada a l'Escola Garbi durant el curs 80/81  L' Escola、1982
2.
Doble ensayo sobre Picasso  Barcelona : Gustavo Gili, 1968
3.
La extraordinaria vida de Picasso  Barcelona : Ayma, 1972
4.
El Gernika de Picasso  Barcelona : Blume, 1979
5.Lorca-Picasso Barcelona : Boza, 1996
6.
Picasso : de los ballets al drama (1917-1926) Traducido del texto original catalán por Ramón Ibero Barcelona : Polígrafa, 1999
7.Picasso, cubisme (1907-1917) Barcelona : Polígrafa, D.L. 1990
『ピカソ キュビスム 1907‐1917』 安発 和彰 (翻訳), 木下 亮 (翻訳), 岡村 多佳夫 (翻訳) 平凡社
8.
Picasso en Cataluña Barcelona:  Polígrafa, 1966
9.Picasso vivo : (1881-1907) traducción, Ramón Ibero Barcelona : Polígrafa, 1980
10.
Querido Picasso : 35 obras y 14 documentos inéditos traducción, José Carlos Cataño  Barcelona : Destino, 1997
『不滅のピカソ 1881~1907』 大高保二郎/訳 永沢峻/訳 平凡社 1983 45,150円という日本語
に翻訳された本もありますが、Picasso vivoなのかもしれません。

   スペイン市民戦争の勃発でヨーロッパ諸国やアメリカ大陸に亡命したスペイン人の数は50万とも言われている。この詩人も40年から50年代の15年 間をパリで過ごした。行きつけのパリのカフェCafé Floreにはサルトルやボーヴォワールもいたし、ピカソ、カミュ、サルトル、アルトー、オクタビオ・パス、フアン・ゴイティソロ(Juan Goytisolo)、アンドレ・ブレトン、トーマス・マン、ドス・パソスなどが集まっていた。これらのうち何人かは、1949年にジョセップが書いたフランコ独裁体制およびスペインの国連加盟に反対する表明文に署名したという。

   まだフランコ独裁政治下の時代の故郷にパリから戻ったジョセップは、精神面でも、生活のうえでも、自由を求めて人里離れた場所を探し、ブラバ海岸から離れた人の住まない地の質素な小屋で、世捨て人のように生活を始め、そうしてピカソ研究と戯曲の創作に打ち込んだ。

   彼の孤独は、自由を求めた結果であり、貧困も同じであった、と記者Monika Zgustovaは語る。ピカソについての著書を書いた報酬金で、絵画を買った。その収集品が、現在、Fundació Palau Centre d'Art Caldes d'Estrac(パラウ財団、Caldes d'Estrac アートセンター)に収められている。

   バルセロナから海岸線に沿って北西約41キロに位置、車でおよそ34分のCaldes d'Estracには、2003年にパラウの創設した、パラウ財団、Caldes d'Estrac 芸術センターがある。パラウの作品やピカソ研究文献および美術収集作品の保存、展示、普及を目的として創設された。常設展のほかに、特 別美術展の企画や、夏には詩のフェスティバルも行われる。

常設コレクションは、三つに分かれている。
ピカソ室
ピカソとの25年間の交友期間中に、ジョセップ・パラウが買い入れた50点の作品がある。カタルーニャの美術館の中で、バルセロナのピカソ美術館に続いて二番目にピカソの作品を所蔵。
カタルーニャ絵画室
Josep Palau の父(Josep Palau i Oller)は画家、テキスタイル・デザイナー、玩具製造、芸術品収集家であったが、 その父と同世代のカタルーニャの美術作品が収集されている。Mompou、 Ignasi Mallol, Nonell, Torres García、Rebull, Grausala、 Clavé、 Mallol Suazoなどの作品。
また、カタルーニャを代表する二大画家、ミロとタピエスの作品や、ジョセップがパリで、交友したラテンアメリカの画家たちSergio de Castro や Felguérezの作品も収められている。
現代作家室
ミケル・バルセロ、Perejaume、 Pepe Yagüesなどの作品。
Fundación Palau
住所 Calle Riera, 54 08393 Caldes d’Estrac
電話: +34 937 913 593

開館時間
夏 火曜日から土曜日まで11時から14時 17時から20.30まで
  日・祭日11時から14時まで。
冬 火曜日から土曜日まで10.30から14.00まで、16.00から19.00まで。
  日・祭日10.30から14.00まで。

交通手段
列車:
Línea C-1 de RENFE

(tren de cercanías de Barcelona a Blanes-Maçanet)
車 Acceso rodado:
Carretera N-II; autopista C-32 (salida 108)

Galaxia Gutenberg出版社からは、2002年にジョセップの作品全集も出され、戯曲作品は、ヨーロッパ各地で、上演されている。

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