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2007年2月17日 (土)  Fragmentos puentefuente

español

強風が吹き荒れたりして、枝先に残っていたプラタナスの葉がかなり落ち、市の清掃係員が舗道に散らばった葉を掃いているのを見たのはつい何日かまえだった。


   アーモンドの花が咲いている。何日かまえに春らしくなってきたな、と感じたものだ。「春はあけぼの。やうやう白くなりゆく山際すこしあかりて、紫だ ちたる雲の細くたなびきたる。」を思い出す。マドリードの春は、一年のなかでも、一番天候不順だ、と思う。聖週間が過ぎた頃から、だいたい安定してゆき、 5月の声を聞くと、夏に突入する感がする。5月にはあちらこちらの庭にバラが咲くのだけれど、5月の半ばあたりの強烈な日差しには耐えられなさそうなバラ だ。それでもチューリップやパンジーなどに比べると、まだ耐えている。

   5月のこの強い日差しが始まると、みんな日中は半そでのTシャツで歩いたりする。ツバメたちがやってくるのもこの頃だった気がする。もうひとつ、風 物詩がある。行列行進毛虫だ。松の木の近くの舗道にこの季節になると、現れる。遠くから見るとまるで単なる縄が捨ててあるのかな、と思ったものだが、この 生物は、聖週間の行列行進のように前後にお互いにくっつきながら、動くらしい。

   幼少の頃から、毛虫が嫌いで、小学生の頃に毛虫の作文を書いた。大きくなったら平気になるものはたくさんあるというけれど、この毛虫だけはどうして も耐えられない。どうして書くかというと、バレンタインデーの日に見たのだ。スペインでもバレンタインデーは、2月の14日で、その日に、5月に出てくる はずだった、毛虫たちが、舗道に横たわっていた。踏まないように、遠のく。

   でも彼らが現れるのは年に一度、二週間ほどなのだ。しかも日中しか現れないし、晴天の日にしか現れない。

   小学生のときに書いた文は、コンクリートやアスファルトだらけの都会には毛虫の住むところもないのだろう、というものだったけれど、そんなことを思うと、マドリードではまだまだ自然と密に接しているのだな、と思うけれど、見ないように、踏まないように、遠のく。
 
写真 マドリード市内にある広大な松の自然公園から見えるモンクロア地区。この公園には、地面の道が続いていて、そこで、フッティングだとか、サイクリング だとか、ウオーキングを楽しむ市民の憩いの土地で、春先にはマーガレットを摘む夫人も見かける。もちろんサッカーだってしている。

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