`ガボの(映画)学校´

2006年12月18日 (月) Fragmentos puentefuente

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   インターネット上でガボ(ガブリエル・ガルシア・マルケス)のシナリオ教室の日本語訳単行本を見かけたことがあった。キューバのサン・アントニオ・デ・ロス・バーニョス国際映画・テレビ学校で、ガルシア・マルケスは毎年12月に脚本の教室を開いていると言う。今年も上旬の一週間開かれ、学生は9人、スペインの映画監督のフェルナンド・レオン・デ・アラノアが講師として招待された。ガボはこの教室の数日間に大変満足しており、この上ない喜びを感じ、彼にとって「幸福なる大切なひととき」と言い切る。

   この映画学校の設立は、21年前の1986年で、70年代に左翼思想のラテンアメリカの映画人や作家たちが新ラテンアメリカ映画委員会を築き上げ、それ以来数回にわたって委員会の代表者とフィーデル・カストロとの話し合いが繰り返され、ついに1986年 にカストロは映画学校の開設資金を援助することにしたと言う。第三世界と呼ばれるアジア、アフリカ、ラテンアメリカの映画の促進のための導きとして生ま れ、その当時から、ラテンアメリカ映画人委員会の意向を聞きまとめるガルシア・マルケスが主宰している。

   当初は三年制で、専攻分野は、監督、製作、エディ ション、写真、脚本、音響、ドクメントなどで、学生は新ラテンアメリカ映画財団とキューバ政府から奨学金を受けていたが、90年代の危機が始まってからは、二年制になり、学費も自費となったそうだ。現在では、再び三年制度に戻り、学費は12,000ド ルだという。

   過去に招待された教師たちは、フランシス・フォード・コッポラ、ロバート・レッド・フォード、スティーブン・ソダーバーグ、コスタ・ガブラ ス、エミール・クストリッツァ、トーマス・グティエレス・アレア、エットーレ・スコラなどの他に、スペイン、キューバ、ラテンアメリカ諸国の教師たちの名 簿の数は長く続く。今年はフェルナンド・レオンの他に、スティーブン・フリアーズやレイフ・ファインズも招待された。この21年間に50カ国に及ぶ500人の卒業生と、3,000近い人々が実践スタジオにて映画製作のための教えを受けたと言う。スペインの『Solas』『Habana Blues』の映画監督ベニート・サンブラーノもこの学校の卒業者だ。

   「文芸作品の書き方を教える方法が見つからないから、映画学校を作ることを推し進めたんだ。」とガボは言った。

『物語の作り方―ガルシア・マルケスのシナリオ教室』ガブリエル・ガルシア・マルケス著 木村栄一訳 岩波書店

資料 エル・パイス新聞 映画欄 2006年12月15日 

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